2013年4月30日火曜日

「古くて新しい」活版印刷屋さん (その2)


「キラフテ 木の靴べら専門店」 店主の宮原です。



この名刺に出会ったきっかけは、先月末に金沢を訪れたことからでした。

最高気温が10度程度で、桜の開花も「今から」といった気候でしたが、天気には恵まれ、
昔ながらの街並み保存されている「東町」地区をぶらぶらと歩いておりました。

建屋の中にはおしゃれな店がたくさん!



そんな街並みを堪能し、「そろそろここを離れようか・・」と思いきや
「OPEN」と書かれたPOPがある建物を発見。

「看板無し、張り紙無し、軒下展示無し」
いさぎよし!!


中に入ってみると素敵な笑顔がお出迎え。 



個性的な「おちょこ」
 家で愛用させていただいてます。



この「おちょこ」の作者さんの「マイケル・ケリー」さん。
アメリカから8年前に来日されたそうです。
とっても穏やかな印象の方で、お店の雰囲気にぴったり



この「隠れ家」的なお店、 「Atelier&Shop ひがしやま荘」  というお店なんですが、
ここには5人のアーティストさんが「シェアハウス」しているアトリエでもあるんです。
金沢市がこの「東町保存地区」の古い建屋の有効利用を積極的に行っているそうで、
そこで創作活動と展示販売をされているんです。

そして店内の奥に眼をやると、壁に設置された棚には何やら黒い物体が並んでいます。
その小さな黒い物体の数が半端じゃないです。

そんなんです。これは「活版印刷の文字」なんです!




凄い量です!しかも一つ一つの小さいこと!
私がこの場で、「必要な一字を探せ」
と言われら一体どれだけの時間がかかるか想像すらできません!

次回はこの膨大な活字を操る「活版印刷アーティスト」を紹介しますぞ!


2013年4月26日金曜日

「古くて新しい」活版印刷屋さん (その1)


「キラフテ 木の靴べら専門店」 店主の宮原です。



このたび、新装開店にあわせて「名刺」を作りました。




 ご覧のように極めてシンプルなデザインの名刺です。

ただ、この名刺は現在では極めて珍しい手法で作られた名刺です。
しかもとても手間がかかる「オール手作業」で印刷されているんです。

そうです。「活版印刷」なんです。
15世紀の欧州で「ヨハネス・グーデンベルグ」によって発明され、
羅針盤、火薬 とともに「世界三大発明」といわれたあの「活版印刷」です。
昭和42年生まれの私ですが、ほとんど記憶にない印刷方法です。


「私がグーテンベルグです。」
wikipediaより抜粋







では名刺を拡大してみましょう。

インクの付いた文字の部分はバッチリ刻印されてクッキリ跡が付いて凹んでいますが、
逆にその文字の周囲は盛り上がっています。

この盛り上がり方が最高なんです!
文字と紙の境界はほぼ直角にシャープに凹んでいますが、
これが周囲に広がるにつれて、ふんわりとした凹みに変わっていくんです。
私が最高に気に入っている部分なんです!

実は私たちキラフテの作業で 「角の面取り」 という作業があり、
木材の角を丁寧に丸めていくんですが、
この丸め方が弱いと握った時にチクチクしますし、
丸めすぎると全体のフォルムがだら~んとなってしまいます。

この名刺にも同じことが言えるわけで、
文字を押す力が弱すぎると、凹みによる立体感が出ませんし、
強すぎれは、紙の厚みに対して凹みが大きくなりすぎて、くどい表現となります。

この名刺が絶妙の凹み具合を醸し出しているのは、
名刺の紙質と、印刷した職人さんの力具合とが完全に調和しているからに他なりません。
これが職人さんの「手感覚」による美的センスなんですよ。



もう一つの大きな特徴があります。
それが「1/fのゆらぎ」です。

キラフテで扱う木材の木目が等間隔でなく、
微妙なズレを持つことで自然な感覚を与えるのも「1/fのゆらぎ」です。

覚えている方も多いと思いますが、20年ほど前に家電にこの原理が採用されました。
扇風機やエアコンなどで、送風を自然の風のようにをランダムに制御するというものです。

この原理がこの「活版印刷」に見事に活かされているんです!
では「活版印刷」と「パソコンで入力」したものを並べて見てみましょう。
左が「活版印刷」、右が「パソコンで入力」したもの




多少のフォントの違いはお許しいただくとして、ほぼ同位置に配置しました。
互いの「木の靴べら専門店」の文字列の
  「べら」
の部分をよ~く見てください。

「パソコンで入力」した方は文字が中心線に沿って左右均等に配置されています。
でも「活版印刷」の方は「ら」の文字がほんの少し右にずれているのがわかります。
他の文字も厳密には極めて微妙に前後左右にずれています。

これこそが「1/fのゆらぎ」で、人間の眼には実に「自然」な感じで見えるのです。
「やすらぐ」感じと言ってよいと思います。私はこの名刺に「安堵感」すら感じます。

この「ずれ」が人間にはとても大切な美的感覚要素で、
どんな美形な男女でも顔を左右で解析すると、必ずズレているんですね。
仮にパソコンでその顔の左右を全く同じにしてしまうと、とても不自然で
違和感すら感じてしまうらしいのです。


では次回にその「安堵感」を生み出す「活版印刷」との出会いを紹介いたしますね。
お楽しみに!










2013年4月25日木曜日

いきなりの「脂汗たらたらの非日常」


「キラフテ 木の靴べら専門店」 店主の宮原です。


さてこの度、新しいウェブサイトを立ち上げたんですが
その「マイ・オマツリサワギ」に気をよくして

「ブログも新しいものにしよう!ルンルン!」

と思いつき、前のブログを気楽にいったん削除したんです。
なぜかというと、この「google blogger」はいったん削除したブログを
「ある程度の期間内なら復活できる」とありましたもんで。

で、気楽に、本当に気楽に前のブログを削除しました。
そして新しいブログを立ち上げました。(今見ていただいているブログです)

それからすぐに気付きました。
「皆様が今まで見ていただいていたブログに
引っ越し先のアドレスを書いておかないと」・・・と。

そこで急いで古いブログを復活させようと手続して
恐ろしい文言を見つけたしまいした!

ブログを削除すると、そのドメインは使うことが出来ません・・・

  「ああっ!」

襲われているナマコのように身悶えしましたが、すでに手遅れ。
「復活しても、ドメインが違えば、自分だけしか見れんじゃないか!」
 


というわけで今までブログをご覧くださっていた方々には
ブログ閉鎖の文言が鉄のように冷たく表示されていると思います。
大変お手数ですが、なんとか

kiraftéキラフテ 「木の靴べら専門店」

から新しいブログへのいリンクをたどってお入りください。
(でもこのメッセージすらお見せすることが出来ない・・・)






2013年4月24日水曜日

「木の靴べら 専門店」 開店しました! 



kiraftéキラフテ 「木の靴べら専門店」
ただいま開店いたしました。

わたくし店主の宮原と申します。

このブログではスタッフの工房での出来事や
ささいな日常、脂汗たらたらの非日常まで
不定期ではありすが、ジャンルにこだわらず
どんどんUPして参りたいと思っております。

これから
何卒よろしくお願い申し上げます。
ありがとうございます。